病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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祈りが息子にもたらした平安と成長

ある日突然、お子さんがひき逃げ事故の犠牲となり、あなたの元から旅立っていったとしても、お子さんは必ず、あなたとのつながりを感じながらあちらの世界で生きている…そう信じられるアメリカでのお話を、今日はご紹介したいと思います。

1982年2月、16歳の少年デビッド・リカタさんは土曜日のダンスパーティーに出かけた帰り道、深夜、交通事故に遭いました。友人と道を歩いていたところ、後方から来た車にひき逃げされ、亡くなってしまったのです。サッカー選手を夢見て、高校のサッカー部で頑張っていた息子の突然の訃報。リカタ夫妻はその事実とても受け容れることはできず、涙にくれる日々でした。

そして事故から4か月後、リカタ夫妻はラジオ番組で行われた遺族カウンセラー ジョージ・アンダーソンさん(詳しくはこちらをご参照ください)のリーディングを受けたのです。ジョージさんは亡くなった方からのメッセージを感じ取ることができる方で、お母様のバーバラさんが希望して、参加することになりました。お父様のジョンさんはリーディング自体に戸惑いを感じ、疑わしく思う気持ちを拭えなかったものの、二人でジョージさんのリーディングを受けました。

ひき逃げという形で、不本意な最期を迎えたデビッドさんでしたが、死後、デビッドさんのことをあちらの世界で守ってくれている人がいました。そして母の祈りも、しっかりと息子の元へ届いていたのです。

「デビッドの面倒を見てくれる人たちがいるようです。
あなたに安心してほしい、と言い続けています。
それから、あなたの毎日のお祈りは、
大いに効果があるようです。
『僕は光の中にいる。僕は光の中にいる』
と言っています」※1)


※1)引用文献:
ジョエル・マーチン, パトリシア・ロマノウスキー(著),
糸川 洋(訳)(1991)『WE DON'T DIE―誰も死なない』光文社,
pp.38-39

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「今、彼が幸せかどうか、聞いてもらえますか。
彼は私たちの愛を感じているんでしょうか」

ジョージはバーバラにこう言った。

「もちろんです。
だから安らかな気持ちだと言っていましたし、
あなたにロザリオを掲げたんです。白いロザリオを。
デビッドは『僕はこれを受け取っているんです。
ずっと送り続けてほしい』と言っていました」※2)


※2) 引用文献:前掲書, p.39

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「(略)『僕のことをいわゆる死人だとは思ってほしくないんだ。
それが残されたみんなにできる最高のことなんだ』
と繰り返し言っています。
絶え間のない祈り、特にロザリオの祈りが死者をまっすぐ光に
導くこと、だから絶対に祈りを欠かさないでほしいとも
  言っています。」※3)

※3) 引用文献:前掲書, pp.40-41

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「私たちのお祈りによって、デビッドはあちらで進歩することが
できるんでしょうか、
それともそれはデビッド自身がやらなければならないことなんで
しょうか」

「お祈りはもちろん効果はあります」

「デビッドのためのミサも効果があったんでしょうか」

「もちろんですよ。疑問の余地はありません。
霊たちにとって祈りは、親しい人から手紙を受け取るようなもの
なんです。積極的に続けてください。(略)
カトリック信者であろうとなかろうと、いわゆる死者のために
  祈ることは非常に大切です。死者は本当に生きているんですから」

「デビッドは死ぬときに苦しんだのでしょうか。
苦しまなければよかったと思いますが」

「デビッドは苦しまなかったと言っています。
あっという間だったそうです。
あちらに行ったとき、当然のことですが、最初は何が起こったのか
わからなくて怖かったと言っています。
その時、あの女の子が迎えに来たんです」※4)


※4) 引用文献:前掲書, pp.42-43

またデビッドさんは、事故は偶発的なものだったと語り、起こってしまったことは仕方ない、自分は犯人を許しているのだと繰り返しメッセージを送ってきました。ひき逃げによって突然命を奪われた息子。その息子が今は死後の世界で心穏やかに過ごしていると知っても、リカタ夫妻の心はおさまるものではありません。この世でもう会うことのできない寂しさ、恋しく思う気持ちは、抑えられないのです。夫妻は、今、デビッドさんが自分たちのことを恋しく思っていないのかどうか、尋ねました。

「恋しいとは言っていますけど、あなたたちもいつかあちらで
デビッドに会えるんです。
この世の使命を終えれば、あなたたちも、
あちらに行くんです。(略)」

引用文献:前掲書, p.42

それから4年後、1986年のリーディングでは、デビッドさんはあちらの世界で立派に成長していることを、ご両親に伝えてきました。

「新しい仕事に就きました。
こちらに着いたばかりの若い人たちのカウンセリングを
やっています」

さらに、デビッドは、自分の意志でこの仕事を選んだこと、
家族や友人みんなの祈りが、あの世での成長の助けになったことを説明した。

リーディングの最後のほうでデビッドはこう言っている。

「この資格は自力で獲得しました」


引用文献:前掲書, p.186

祈りによって、心の平安と成長する力を手にし、亡くなった後もなお、成長し続け、誰かのために役に立っている…それは決してデビッドさんだけではありません。きっと。

 
あなたがお子さんへ向ける愛情や祈りは、お子さんの元にしっかり届いています。そしてそれは、しっかり意味を成しているのです。 
2016/10/4  長原恵子
 
関連のあるページ(ジョージ・アンダーソン氏)
「親の怒りのエネルギーを憂う子」
「息子に届いた母の祈り」
「たとえ生まれ出ることはなかったとしても」
「僕は無事なんだから」
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「言えなかった言葉の裏」
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「脳死となったお子さんの魂」
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「祈りによって続くつながり」
「祈りが息子にもたらした平安と成長」 ※本ページ