病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
大切なお子さんに先立たれたご家族のために…
 
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報われるご両親の心苦と愛

お正月には寺社に初詣に出かけ、夏のお盆休みの時期には旅行にでかけ、年末にはクリスマスプレゼントを交換し、受験の頃は神社に合格祈願に出向き、おうちに仏壇はあっても、お子さんはミッション系の学校に通っていた…そのようなご家庭は日本にはとても多いと思います。
それらは宗教に深く関係があっても「季節特有の年中行事」という側面を持って、社会の中に根付いてきたものであり、また宗教のエッセンスを教育・教養・文化の一部として取り入れてきたからだと思います。

また、これまでどなたか身内の方が亡くなったという経験がなく、あなたの大切なお子さんが先立ってしまったことが、人生の中で初めての死別だったというご両親もいらっしゃることでしょう。

お子さんが亡くなった後、お葬式をしたり、その後の宗教に基づいた儀式を行うために「初めて真剣におうちの宗教に向かい合うことになった」という場合、ご両親は周囲からのいろいろな声に、とまどってしまうことがあります。その中で顕著なものが死後の世界観だろうと思います。

宗派によっては、ご両親が耳を塞ぎたくなるような厳しいを話を聞くことがあるかもしれません。あるいは肩の力が抜けて、胸をなでおろし安堵できるようなお話もあるかもしれません。

先日ヘレン・ケラー女史の自叙伝を読んでいた時、子どもの死についてヘレンの記した部分が、大変印象的でした。

かつて、母の腕の中で子供が死んでゆくさまを想像するのは、耐えがたいことでした。
けれども今では私たちは、死後も楽しくかげりのない幼児期がその子を待っていることを知っています。

輝く住まいでは、天使たちがその子に喋り方や創造的な考え方、自分にもっとも適した仕事の選び方を教えてくれるはずです。
そこでは、その子が美しく成長し、現世では見られなかったほど力強く物事や冒険に立ち向かうことでしょう。

今や私たちは、この世で報いられなかった誠実な愛のひとつひとつには、あの世でその10倍もの大きな歓びが待ち受けていることを知っています。

引用文献:
へレン・ケラー著, 鳥田恵訳(1992)『へレン・ケラ一 光の中へ』めるくまーる, p.106-107

この部分を読んだ時、私はほっとして、とてもあたたかい気持ちになりました。この世を去った後、お子さんは楽しくかげりのない時間を過ごし、美しく成長し、いろいろな経験を力強く経ていくという考えに、強く賛同したいと思いました。

「もっと生きてほしかった」
「元気に楽しく過ごせる時間をもっとあげたかった」

それはお子さんに先立たれたご両親の心に、共通する思いなのだろうと思います。
叶えられなかったその願いが、報われなかったご両親の心苦が、今、お子さんの生きる世界では、10倍もの大きさの歓びに変わって、お子さんを包み、満たしているのだと思うと、本当に嬉しくてたまらない気持ちになりました。

それぞれの信仰により、違った世界観があって当然。でも、あなたのお子さんは今、平安で落ち着いた場所で楽しく過ごしているはず。 
2014/1/21  長原恵子