先日、韓国ドラマで「お隣さんは元ダンナ」という作品を見ました。
このドラマは離婚したご夫婦が、それぞれ新しく生活を始めようとするのですけれど、それが隣同士の家だった、という設定で始まります。
元夫婦が互いに新しい人生を歩んでいく過程で、いろいろ大変なことが起こり、それを通して成長していく姿が描かれたドラマです。

さて第36話で、認知症の母と二人暮らしの少年のお話が登場します。
ある日突然、母がいなくなってしまい、 少年は途方にくれて、あるおうちに身を寄せて、お世話になっていた時のことです。
その少年が家で勉強していた時、そこのお婿さんである青年が少年に向かって、アドバイスした言葉がとても印象的でした。
13分30秒あたりから出てくる言葉です。

あぁ、いい言葉だなあと思って聞いていました。
宗教の中の言葉から採られたものか、偉人の方の言葉を採られたものか、その背景はわかりませんが、こういった台詞をさりげなく日常会話の中に登場させる脚本家チェ・ヒョンギョン氏は、すごいなあと思いました。

お子さんに先立たれた後、途方に暮れてしまうご両親も多いと思います。これから一体、どうやって生きていけば良いのだろうか…そんな風に思って、お子さんと共に過ごした過去の時間が、ただただ懐かしく、涙が止まらないという方もいらっしゃると思います。
そのように、過去をしっかりと思い出すことは大切なことだと思います。ただ、そこで思い出していただきたいのですが、今こうして生きているあなたの時間は、あなたが一人ぼっちで生きているのではありません。

あなたのお子さんは魂となって、あなたと一緒に生きているのだと、私は思うのです。見えない姿のお子さんと一緒に生きていく…それは、これまでとは違った新しい世界観であることでしょう。
しかしそれは、道を見失って立ち止まってしまったあなたの行く先を、しっかりと照らしてくれるものだと思います。

新しいドアに向かって、お子さんの魂と一緒に歩いていく…そうして生きていくことは、ご自身の人生の時間を大切にすることにつながっていくことでしょう。それは何より、あなたのお子さんが心から望んでいることだと思います。