病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
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死は部屋を移るのと変わらない

韓国ドラマは日本のテレビ番組でも放送されるようになり、DVDも発売されレンタルショップの店頭にもたくさん並ぶようになりました。日本語字幕があるおかげで、ここ数年よく見るようになりました。いろいろなタイプの韓国ドラマがありますが、韓国ドラマは一般社会の中で、飾らない姿で生きている人々を描くことがとても上手です。また心の琴線に触れるような、言葉がたくさん出てきます。

今回は死についてどう考えるのか、という一つの例として
韓国ドラマの「ありがとうございます」第15話を取り上げましょう。

恋人を亡くした外科医ミン・ギソ(チャン・ヒョク)と、一人娘と祖父と住むシングルマザー イ・ヨンシン(コン・ヒョジン)が海岸で二人並んで話をするシーンの言葉です。

36分50秒頃〜

(イ・ヨンシンの台詞)
おじいちゃんが、亡くなった人にも挨拶をしろって言うの。
死は部屋を移るのと変わらないって。
目に見えないだけで、いつもそばにいるの。
信じない?

あいさつしたい人はいない?
たまにはしなきゃ。
恋人にあいさつは?
忘れたわけじゃないでしょ。

彼女はその辺にいるの?
それじゃあ失礼しますね。
( ミン・ギソの胸に向かってあいさつをするイ・ヨンシン)

引用ドラマ:
「(邦題)ありがとうございます 」第15話
演出:イ・ジェドン
脚本: イ・ギョンヒ
制作:韓国MBC
韓国放送日 : 2007年

文字にすると随分甘い感じがするかもしれませんが、映像では気負った感じではなく、実に自然な会話の中でこの言葉が出てきます。
話の筋がわかってしまうとこれから見る方はつまらないと思いますので、詳細は触れませんが、亡くなった恋人はミン・ギソにとって大切な人であるだけではなく、イ・ヨンシンにとっても娘の病気に関係するキーパーソンでした。
亡くなった人の居場所はこの世の世界から、心の中へと引越ししたのだというイ・ヨンシンの言葉に押されて、この後ミン・ギソは亡くなった恋人が伝えられなかったイ・ヨンシンへの謝罪を、代わりに伝えるのです。

ぜひ実際の映像をご覧ください。
このドラマは一人娘役のソ・シネちゃんがとてもすばらしいです。
病気を抱えながらも、子ども本来の朗らかさや奔放さ、優しさを存分にもって生きている姿が伝わってくる演技です。

この世で肉体が終わっても、大切な人は自分の心の中で、ずっと生き続けるという発想は、どの宗教を信じている方にとっても、あるいは信じていない方にとっても、心の波を穏やかにしてくれるような気がいたします。

 
あなたの心の中に引越ししたお子さんが、今日も居心地よく過ごせていたら良いなと思います。
2013/5/14  長原恵子