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水面すれすれに枝を伸ばして開花する桜
(東京 井の頭恩賜公園)
 
 

撮影場所
東京 井の頭恩賜公園
撮影時
2018/3
 

写真を整理していたら、2018年3月に訪れた東京 井の頭恩賜公園の池の桜の写真が出てきました。井の頭恩賜公園はお花見スポットとして有名で、園内はいたるところに桜が咲いているのですが、ボート乗り場のそばの水際の桜の枝ぶりは、本当に驚きました。そのまま枝を伸ばせば水没してしまうのに、水面ギリギリのところでバランスをとって、横へ横へと枝を伸ばしているのです。そして一部の枝は水面側から更に空に向かって上昇しているものもあり、その枝の勢いは、本当に驚きです。
とても元気な桜の精が、この木に宿っているような感じがしました。

 
そして何か井の頭池自体にとても土地の力があるのかしら?と考えていたところ、ヒントとなるものがありました。井の頭弁財天のそばにあった「井の頭池遺跡群」の看板です。井の頭池は今では外来生物対策等でかいぼりが行われ、ニュースに取り上げられる場所ですが、古き時代から湧き水をたたえた場所でした。
看板の解説によるとこの井の頭池(神田上水水源地)周辺は旧跡指定されており、井の頭池周辺から武蔵野市、三鷹市にわたって「井の頭池遺跡群」と称され、古くは明治20(1887)年に学会発表されているそうです(和田万吉氏「久ケ山村併に井の頭の土器」『東京人類学学会報告』)。その折、井の頭弁天の祠の近くで土器や石斧が発見された(※1)そうですから、まさに湧水のそばで生活が営まれていたことが伺えます。

また昭和37(1962)年から38(1963)年にかけて、武蔵野市史編纂事業のために当時國學院大學の大場磐雄教授により武蔵野市御殿山(井の頭公園内・御殿山遺跡)の発掘調査が行われました。そこでは約4千年前(縄文時代中期後半から後期初頭)の竪穴式住居跡2軒と土器や石器などが見つかり、石器の中には信州地方の黒曜石でできたものも含まれていたのです(※2)。また3万5千年前(旧石器時代)の人が持ち込んだ礫(れき)も確認されたそうです(※3)
何千年、何万年も前から生命を育んで来た土地、そこには今も何かを育てていこうとする強いエネルギーが宿っているのかもしれません。

桜の木は大元になる幹自体も斜めに傾いており、生えている場所は池の縁のぎりぎりのところです。のびのびと根を地下に張り、育つ環境とは言い難い場所です。にもかかわらず、長く枝を伸ばしてこんなにたくさんの花をつけているとは!どんな状況に置かれても、頑張っていく姿はどこか病気のこどもたちの頑張りに似ているところがあるような気がしました。

2018/7/2  長原恵子
参考・引用資料
※1 「太古の豊かな暮らしを今に伝える井の頭池遺跡群」
『Musashino』, p.12
※2 前掲資料※1, pp.12-13
※3 前掲資料※1, p.13