病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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日光を求めて伸び行くゆりの姿

2017年6月中旬、埼玉県所沢市にある「ところざわのゆり園」に行ってみました。とてもきれいなゆり。敷地面積約3万平方メートルでなんと約45万株ものゆりが植えられているそうです。園内一周は約1,000mということでしたが、山の斜面に咲きそろっていたゆりは圧巻でした。
当日は「すかしゆり」が見頃を迎えていました。花びらと花びらの間に隙間があって、その背景がすかして見えるため「すかしゆり」と呼ばれるのだそうです。ゆり、というとお花屋さんで芳香漂うハイブリッドのゆりを想像しがちですけれど、すかしゆりは香りがありません。でも空に向かって大きく花びらを広げる姿は、実にすがすがしくて、良いですね!

Lana-Peace Lana-Peace
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きれいに列をなして植えられているところもあれば、いろいろな種類が思い思いに咲いているところもあって、とても美しいです。

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まっすぐ空に向かっている花もあれば、斜めに生えているゆりもあります。そのゆりはまるで一斉に号令がかけられたみたいに、同じ方向に斜めになっています。不思議だなあと思ったけど、これはもしかして太陽の光を求めているせい?
こちらのゆり園は狭山丘陵の地形を活かして作られているそうです。結構起伏がありますし、場所によっては陽がよく当たるところもあれば、そうでないところもあります。

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左斜め上の写真、ゆりの咲き誇るエリアの横は遊歩道。そこには大きな木が植えられ、陰を落としていました。(上の写真)。

だからゆりは、太陽を追い求めるように生えているのです(左の写真)。

ひょろひょろの細く長い茎だけど、こんなにしっかりと、角度を保って立ち、そして大きな花を頭に掲げているのだから。

ゆりの球根は、どこに植えてもらうかなんて、何も知らない。自分で臨むこともできない。でも、そこがでこぼこした山の斜面であっても、日陰であっても、そんなことおかまいなしに、日光を求めてすくすくと斜めに伸びるゆりの姿を見ていたら、何だかいろいろ考えてしまいました。
もちろん、職員さんが土壌自体やゆりの花を手入れされているのだろうと思うけど、一本一本の植物の中に潜んでいる生命は、本当にすごい!

たとえ環境が悪くても、何か求めて一生懸命頑張ったら、こんなに大きく成長して、しっかりと花をつけるのだなあ。人間だったら「これだけ頑張っても、こんな結果にしかならないなら、もう嫌だ」とか途中でへこたれてしまいそう。でも、そんなこと考えないで、ただひたすら「目標」に向かって進んでいくって、大事なんだなあと思いました。
病気で入院生活や家での療養生活を長く送っているこどもたち。毎日が飽き飽きして「何で自分は…」と気持ちが沈みがちかもしれません。でも、たとえどんな環境であっても、どんな状況であっても、その場所できれいに自分の本分を発揮するってことはできるのだと思います。その場その場で、できることってあるんだなあ…ゆりの姿を見ていたら、そんな風に思いました。

誰かに褒められることを期待して咲くわけでもなく、もしかしたら誰も足を止めないで見過ごされてしまうかもしれないけれど、それでも、空に向かって元気に伸びて、ゆりはきれいに花をつけている。

たくさん開花したゆりの中で過ごしていると、「私たち、頑張っているのよー」と花から話しかけられているみたいでした。起伏のある散策コースをゆっくり行ったり来たり、梅雨の晴れ間のひと時だったけれど、森林浴も楽しみながら、いつのまにか気持ちのエネルギーは充たされていきました。

ゆり園の中は『自然散策コース』(約1,000m)と『らくらく観賞コース』(150m)があります。当日、電動車椅子を操作して、一人でゆりを楽しむ人の姿もありました。身体の自由度に合わせて、いろいろな楽しみ方があります。

最寄駅は西武線西武球場前。駅からは歩道橋を渡っていきますが、入場口までは少し登り坂になっています。
入園料と乗車券のセットになったお得きっぷもありますので、詳しくはこちらをどうぞ。

 
気分が落ち込んだ時は、お花のエネルギーをたくさんもらって、その姿から自分も元気をだしてみましょう!            
2017/6/21  長原恵子