病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
Lana-Peace 「大切なお子さんを亡くされたご家族のページ」
大切なお子さんに先立たれたご家族のために…
 
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ようやく生まれた赤ちゃんとの対面を心待ちにしていたのに、死産だったと聞かされた時、どんなに辛かったことでしょう。お子さんを恋しく思う気持ち、会えない悲しみ、寂しさ、そしてこれからの時間をお子さんと共に過ごすことができない落胆。「ああすれば良かったのではないか」「こうすれば良かったのではないか」と自分にどこか非があるように感じて、自責の念にかられる方もいらっしゃいます。何もあなたに非はないのだけれども…。
そうした複雑な心境の中で、心が落ち着くように導かれるとしたら、やはりお子さんが今、しっかりと守られていると知ることだろうと思います。

今日は難産の末、途中で帝王切開となり、死産された女性のお話をご紹介したいと思います。

二十四歳の女性ジル(仮名)は、非常に重いお産に苦しんでいた。医師は帝王切開を決意し、彼女に脊髄麻酔を施した。
麻酔は、背中から、予想もしない範囲まで広がってしまい、全身が麻痺してしまった。麻酔医がすぐに対処したので、ジルは酸欠にも陥らず、医学的には臨死といえる状態にはならなかった。
また、幻覚を起こす可能性のある薬物も一切投与されていない。

ところが帝王切開の手術のあいだに、ジルは自分が体を離れ、輝く光の球に引きこまれるのを感じた。その球の中にいるとき、ジルは“愛情に満ちた声”が大声でこういうのを聞いた。
「お前は戻らなくてはならない。だが、わたしは赤ん坊をここへもらうよ。ここなら心配ない」
女の赤ちゃんは死産で、産声さえも上げなかったと医師が告げたとき、ジルはもうそのことを知っているといい、何があったか話した。
ジルは医師に、光の球の中へ赤ちゃんと一緒に行ってきたこと、そして赤ちゃんは神さまが守ってくださっているとわかっていることを話したのである。


引用文献:
メルヴィン・モース/ポール・ペリー著, 池田真紀子訳(1995)『死にゆく者たちからのメッセージ』同朋舎出版, p.116

光の球の中に入るという経験、それはジルさんにとって初めてのことですから、とても驚いたことでしょう。
でも「わたしは赤ん坊をここへもらうよ。ここなら心配ない」という神様の言葉は、ジルさんの心にとって、大きな救いになったことと思います。
生まれたら早く抱っこしたいと思っていた赤ちゃんが、既に亡くなっていたと聞かされたなら、通常、正気ではいられないはずですから…。
赤ちゃんの死という言葉さえ、口にしたくないはずです。
そんなことあるはずない、何かの間違いだと否定し、事実と向かい合えない状態であっても不思議ないほどの、強い衝撃です。
でも帝王切開の麻酔から覚めた時、ジルさんが自分の口で、赤ちゃんの死について言えたのは、何よりも我が子が神様にしっかりと守られていると神様から直々に知らされたことにより、安心を確信していたからだと思います。
エッセイ「親の幸せを霊界から願うこども」では死産だった赤ちゃんが、霊界で大きくなり、母親を見守ってくれていたことを書きました。
きっとジルさんの赤ちゃんも、同じように育っていくことでしょう。

 

死産だった赤ちゃんは、寂しく過ごしてなんていません。あちらの世界で、大切に、大切に守られていますから…。         

2014/9/10  長原恵子