病児・家族支援研究室 Lana-Peace(ラナ・ピース)
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ヘレン・ケラー女史と交流のあった子どもたちの中に、ネブラスカの盲学校に通っていた13歳の少女がいました。その少女からヘレンに送られてくる点字の便箋には、少女のお茶目で快活な笑い声が満ち溢れているような楽しい様子が綴られていたのだそうです。

その少女の手紙の中に、大変印象的な言葉がありました。

自分は毎日新しいことを勉強するのに忙しくて、とても自分の不幸なんか考えている暇がない


引用文献:
ヘレン ケラー著, 岩橋武夫訳(1966)『わたしの生涯』角川書店, p.407


特に子どもの頃は「他の子と同じようにあること」に安心感を覚えることが多いと思います。
ですから病気のために「他の子はできるのに、自分はできない」といった何か身体的な特徴を抱えてしまうと、それがとても気になってしまい、「自分はなんと不幸せなんだろう」と思ってしまうかもしれません。同じように横並びになれないことをくやしく思ったり、深く悩んでしまうこともあるでしょう。

でも、「とても自分の不幸なんか考えている暇がない」と言えるほど、楽しく自分が没頭できることがあるとは、なんとすばらしいことでしょう。

その少女は素敵な大人になりました。へレンが会った時、その少女はご結婚され、ご主人と七歳のお子さんとあたたかい家庭を作られたのだそうです。きっと彼女は少女の頃から、ずっと大人になってからも、毎日を不平不満で過ごすのではなく、一生懸命に生きていたのでしょう。
彼女はヘレンに会った時「これ以上欲しいものなんかありはしません」とおっしゃったそうです。
日々の暮らしを大切に、毎日を大事にして、「足る」を知ればこそ、言うことのできる言葉なのだと思います。

 
病気で気持ちが沈んだ時は、「今日やりたくて、今日できたこと」を数えてみて。どんな些細なことでも、それはきっとあるはず。
2014/2/4  長原恵子